手延そうめんは奈良の「三輪そうめん」や香川の「小豆島そうめん」など、全国各地で昔からつくられていますが、なかでも揖保乃糸のブランドで知られる兵庫の「播州そうめん」は、なんと全国シェア1位!なんです。
全国で一番食べられているということは、一番おなじみの味ということ。だけど、ちょっと待ってください。皆さんは揖保乃糸のことをどれくらいご存知ですか?「揖保乃糸」といっても、スーパーで買う揖保乃糸と贈答品でいただく揖保乃糸はちょっと違うんです。今回は、知っているとちょっと得する揖保乃糸の基礎知識をご紹介します。
揖保乃糸の一束は50g。冷たいそうめんなら2束、具材たっぷりのにゅうめんやアレンジメニューなら1束を一人前と考えていただくと、いい感じにお腹を満たしてくれると思います。「今日はお腹空いてるから3束茹でよう」とか「ちょっとでいいから1束にしよう」とか、調理するときに便利な揖保乃糸の束ですが、束ねている帯を見てみてください。
スーパーで買ってきた袋入の揖保乃糸の帯は赤色、お中元やお歳暮でいただいた揖保乃糸の帯は黒色だったりしませんか?実はこれ、揖保乃糸の等級を表した色なんです。
きれいな赤色の帯は「上級」。揖保乃糸の全生産量の約80%がこの上級品なので、皆さんも一番おなじみの味わいだと思います。毎年10月から4月にかけて、およそ600年前から続く伝統的な製法で11工程かけて「めん生地」から0.7~0.9mmの1本の揖保乃糸になるまで、丁寧につくっている、私たちの自慢の一品です。
そして、渋めの黒い帯は「特級」。上級品よりも0.65~0.7mmと細くて艷やか、繊細な舌ざわりが特徴です。特級は熟練製造者と認められた職人が腕によりをかけて、播磨地方で一番寒い12月から翌2月の間につくります。上級よりも特別な揖保乃糸なので、お中元やお歳暮などの贈答品としてよく選ばれています。
そうめんは細いので、乾麺の状態でちょっと見ただけでは違いがわからないかもしれません。ですが、食べ比べてみるとその違いは一目瞭然。上級は上級の、特級は特級の良さがあります。特級をいただいたら、是非上級と食べ比べてみてください。
毎年10月から翌4月につくられる揖保乃糸。できた年に出荷されるものを「新(しん)」といいます。それに対して、湿度や温度管理を徹底した専用保管庫で一年熟成させたものを「ひね」といいます。
熟成中の揖保乃糸は高温多湿の梅雨の時期に小麦粉内に含まれる酵素の働きで脂質が変化します。その変化がデンプンやタンパク質に影響を与えて、コシや舌ざわりがさらに良くなるんです。ひねにも上級を熟成させたものと特級を熟成させたものがあるので、こちらも是非食べ比べてみてください。
「熟成させた方がおいしいなら、買ってきた揖保乃糸も一年寝かせた方がいいんじゃないの」と思うかもしれませんが、ひねがおいしいのは湿度や温度を管理した専用保管庫で熟成させたからこそ。揖保乃糸は小麦粉と塩水をこねて熟成、引き延ばして乾燥させた天然食品。保存料などは一切使用していないため、賞味期限は約3年半と長い反面、保存環境に影響されやすい結構デリケートな食品なんです。
直射日光を避けて、風通しの良いところで保存してください。すぐに食べないからと床下収納や棚の奥に仕舞ってしまうと、最悪カビが生えたり虫がわくこともあるので注意してください。冷蔵庫に入れても大丈夫ですが、匂いが移りやすいので密閉容器に入れて保管されることをおすすめしています。温度が高いところや急な変化でも風味が落ちるので、冷蔵庫やレンジなどの家電のすぐ隣とかも避けたほうがいいです。
なので、賞味期限が長いからと油断せず、できれば手に入れてから1年以内を目安にお召し上がりいただけると、おいしく召し上がっていただけます。
特級品はその名前のとおり上級品よりもワンランク上なので、お値段もちょっとお高め。だからこそギフトに最適なのですが、ちょっと食べたいご自宅用に6束の少量から、どどんと360束入りの18kgまでご用意していますので、いつもの上級品と併せて食べ比べてみてください。量販店では出回りにくい上級品ひねと特級品ひねが入った詰め合わせセットや上級品のお徳用大容量木箱入りなどもご用意しています。
また、上級品や特級品以外にも、緑色の帯の「播州小麦」(兵庫県の小麦を使用しています)やノンフライのインスタントにゅうめんなどのユニークな揖保乃糸商品も扱っていますので、是非チェックしてみてくださいね。